二十八宿
二十八宿とは、太陽が天球上を運行する黄道上にそって一周天を28の星座に分割したもので、もとは古代中国の星座です。月の天球上の位置を示すために用いられた、純天文学的なものでした。それが中国からインドに渡り日の吉凶を知るために用いられ、唐時代には七曜と共に「宿曜」として中国に逆輸入され、やがて日本に紹介されました。
八世紀初頭の貴人の墓と言われる高松塚古墳の壁画に二十八宿が描かれており、かなり以前から日本に伝えられていたとも推定されます。
「あるお寺からもらった暦に記載されている二十八宿と、本屋さんで買った暦の二十八宿とが違っていた。どちらが正しいのか。」という疑問を持った人は多いでしょう。
よく注意して見ると、川崎大師さんなど、いくつかのお寺のものには「二十七宿」となっていて、牛宿がありません。
これは古い方法の繰り方で、毎年旧暦の正月1日は室宿、2月1日は奎宿と決まっています。
それに対して、一般の暦は「二十八宿」となっていて、無限に循環しています。この方法は貞享の改暦(1685)以後用いられています。